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賃貸のお困りQ&A

相続放棄申述が単純承認とみなされたケース

【ご相談】

「土地建物を含む相続事件を受任した弁護士が、依頼者に高額の賠償支払いを命じられた裁判があったと聞きました。どのような内容ですか」

見通しを誤り、正確に理解させる説明を怠った

平成24年2月13日、Bが死亡。相続人は妻C、長女D、二女Xの3名です。

Bには多額の債務があり、十数年来自宅を出て別居しており、自宅にはCとD(離婚後単身渡米し再婚)の長男E(学生)が居住。Xは婚姻して独立していました。Bは平成21年1月30日頃、自宅の土地建物(以下本件不動産)をEに贈与する旨の贈与契約書を作成していました。

弁護士であるY(平成19年弁護士登録)は、Bの死後Cから相続事件を受任しました。平成24年3月、Cは法要の席でYにXを紹介し、YはCとXにBの相続財産は数千万円の債務超過である旨を報告。Cは「Eは学生でありC自身も収入が少ないので自宅を離れることが困難。何とかして本件不動産を確保したい」と要望しました。Yは、XやD(在来)と連絡を取りながらCの要望に対応する方針を固めました。

Yは同年4月、C、D、Xから委任を受け、東京家裁にBの相続放棄期間延長を申し立て、期間を同年11月13日まで伸長する審判を得ました。同年7月10日、Dの委任を受け、平成21年1月30日贈与を原因とする本件不動産についてEに所有権移転登記手続きを申請し、同年8月31日、CとXの委任を受け、東京家裁にそれぞれBの相続放棄を申述しました。

平成25年、Bの債権者Aが東京地裁にCとXを提訴。AがBの借入債務を保証し代位弁済した求償金の残額と利息等、各金828万円余および利息の支払いを請求したものです。YはCXから委任を受けて訴訟代理人となり、相続放棄の抗弁をしました。Aは放棄無効を主張し、判決はAの請求を認容。「相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認とみなす(民法921条1項)。処分とは財産の現状、性質を変ずる行為であり登記手続申請は処分に該当する」と判断しました(東京地裁 平成26年3月25日判決)。

平成27年2月、Xが東京地裁にYを提訴。YはB相続事件の受任に際し、登記手続きが相続財産の処分に当たると解される可能性は半々であり、もし処分に該当してもEが相当な金銭を支払い債権者と和解の可能性があると説明し、Xに金銭的負担が及び可能性を説明していない。Yは説明義務の不履行の責任を負う必要があると前記判決の金額全部と今回の弁護士費用を加算した金額の賠償を請求しました。

判決は「Yは自宅を確保したいというCの意向に捉われ、本件登記で直接利益を受けないXの立場を十分配慮せず、登記が処分とみなされる可能性を半々と解し和解を想定する等見通しを誤り、Xに事態を正確に理解させるに足る説明をしていない」とXの請求を認容しました。

(東京地裁 平成28年8月24日判決)。

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