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賃貸のお困りQ&A

申込証拠金授受の時点で事実上不動産売買契約が成立したとする売主の主張が棄却された事例

ケース

平成30年1月9日、法人である買主Xは、宅建事業者である売主Yに土地建物の購入価格として5000万円を提示したところ、YはXに商談開始のため200万円を預託するよう申し入れました。

翌日10日、XとYは、預託金200万円および次の「商談申込書・預り証書」を授受しました。

<商談申込書の概要>
Xは次の条件で買受けを希望し、申込証拠金200万円を添えて本書を差し入れる。
①売買価格:5000万円 ②売買条件:別途協議 ③申込証拠金取扱:成約時は売買代金の一部に充当、不成約時は全額無利息にて返還 ④有効期限:平成30年1月25日

<預り証書の概要>
金200万円、本件不動産の商談申込証拠金としてお預かりいたしました。
①売買交渉金額:5000万円 ②交渉成立の場合:売買代金の一部に充当し、返還はない ③交渉不成立の場合:申込証拠金は無利息にて速やかに返還

同年8月、Xが内覧を行ったところ、建物には水道が引かれておらず、配管の経年劣化が著しくすべて交換が必要な状況であることを知り、建物の改修に過大な金額が必要と判断したことから、Yに買取りの断念を伝え、申込証拠金200万円の返還を求めました。

しかしYは、200万円は手付金として受領したとして返還を拒否し、返金拒絶の通知書をXに送付。Xは申込証拠金の返還等を求める訴訟を提起しました。

解説

裁判所は次のように判示し、Xの請求を認めました。

  1. Yは平成30年1月10日に、同月25日の経過をもって、売買契約が成立し、200万円はその手付金として授受されたと主張するが、XおよびYの交渉経緯や商談申込書および預り証書の内容をみると、XおよびYの申込証拠金預託契約の内容を反映したものということができる。
  2. 加えて、不動産の売買契約では、取引対象の重要性に加え、売買代金も多額になることなどに照らして、当事者間の合意内容を明確にすべき要請が高いことから、契約書を作成するのが通常であり、本件においてあえてこれを省く合理的な理由は見当たらないこと、Yは宅建事業者であるところ、Xに宅建業法37条1項所定の書面や、同法35条6項、1項所定の重要事項説明書を交付した形跡がないこと、YがXに送付した返金拒絶の通知書では、その理由について、同年1月末までに契約締結の約束であったが、Xの態度がはっきりしないまま半年以上が経過したため、商談申込証拠金は不動産媒介代金の一部内金として受領したなどと述べており、200万円を手付金として受領した旨の記載はないことなどに照らすと、XとYの間で売買契約が成立したと認めることはできない(東京地裁 令和2年6月23日判決)。

総評

宅地建物取引業法においては、契約の成立前に授受される申込金、申込証拠金、契約証拠金等は名目の如何に関わらず、預り金として取り扱われ、申込者から申込みの撤回があったときに、売主宅建事業者がすてに受領した預り金の返還を拒むことを禁止しています。預り金の返還を拒む行為は業法違反として行政処分の対象となる可能性もあり、注意が必要です。

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