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賃貸のお困りQ&A

相続人が多数いる場合の相続不動産

今回のご相談

過去にお付合いのあったお客さま(Aさん)から、次のような相談を受けました。

Aさんは祖父所有祖父名義の不動産に母とともに住んでいたのですが、祖父よりも先に母が亡くなったため、令和4年に他界した祖父の不動産を相続しました。しかし、登記名義は祖父のままとなっているほか、今も、その祖父名義の不動産に居住しています。

相続登記が義務化されたと聞いたこともあり、登記をしたいと思っているようなのですが、祖父の相続人はAさんの他に、Aさんの兄、母の姉の子2人(Aさんのいとこ)、母の弟(Aさんの叔父)です。

兄は、Aさんに不動産を譲ると言ってくれているようなのですが、いとこと叔父とは疎遠なため、手続きが進められないということです。

Aさんが手続きを進めるためには、どのようにすればいいのでしょうか。

回答

  1. 令和6(2024)年4月1日から相続登記が義務化されていますので、速やかに登記手続きを進める必要があります。
  2. 単に登記の義務を履行するというだけであれば、法定相続分での登記をするという方法もありますが、ご相談者のように、現に居住している場合には、遺産分割協議や調停により、自身が祖父の不動産を取得することを目指すことになります。
  3. 可能な限り相続分の譲渡を受けた上で、速やかに遺産分割調停の申立てをすることが望ましいと考えられます。

解説

1. 相続登記の義務化

これまで、相続登記手続きを行うことは義務ではありませんでしたので、登記するメリットがない、相続人が多数いる、などの理由で、相続登記がなされていない不動産が多数存在していました。私が扱った事例でも、数代にわたって登記がなされていなかった結果、相続人が20人以上になってしまったというケースが何件もありました。

このように相続登記がされていないことが問題となり、また「所有者不明土地」の問題がクローズアップされたこともあり、これを解消するために、令和6年4月1日から、相続を知ったときから3年以内に相続登記をすることが義務化されました。

このルールは、令和6年4月1日よりも前に相続した不動産も対象で、それらについては、令和9年3月31日までの登記が必要とされました。従って、本件のご相談者も、令和9年3月31日までに相続登記を行わなければなりません。

なお、正当な理由がないのに相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科されることとされています。

これに関し、法務省はホームページに、「正当な理由」として「相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケースなど」を挙げています。本件の場合、2代前の相続とはいえ、他の相続人は一応把握できていますし、全ての相続人を合わせても5人にとどまるため、「正当な理由」があるとはされない可能性もあります。やはり、早期に登記をするべきと考えられます。

2. 他の相続人への譲渡

本件で登記の義務を果たすということだけであれば、法定相続分で登記をしてしまうのが最も簡便です。この場合、ご相談者6分の1、ご相談者兄6分の1、いとこ2人が各6分の1、母の弟3分の1の共有での登記ということになります。

しかし、ご相談者は現在、相続した祖父の不動産に居住しているということですから、このような法定相続分の取得ではなく、単独での取得を希望していると思われます。また、法定相続分で共有にしてしまえば、その後持分を取得するために別個の手続きが必要になるほか、税のことも考慮に入れる必要があります。そこでこのような場合には、遺産分割協議や調停により、ご相談者ご自身が、祖父の不動産を取得することを目指すことになります。

この際、ご相談者の兄のように他の相続人が相続財産を取得することに同意しているという場合や、遺産分割は面倒だと考えるなど関与を希望しない方々もいます。そうした方々には、自身が相続した「相続分」をご相談者に譲渡する「相続分の譲渡」をしてもらうのが望ましいでしょう。本件ではそれほど多数ではありませんが、相続人が数代に遡るような場合には関与を希望しない方も多くいる傾向にありますので、できるだけ多くの相続人に「相続分の譲渡」をしてもらうようにします。なお、相続分の譲渡に際しては、有償無償は問いません。

3. 遺産分割調停の申立て

相続分の譲渡をお願いしても拒否された場合や連絡がつかない場合などは、遺産分割調停を申し立てることになります。なお、実務上は、相続分譲渡証書に押印してくださる方々の印鑑登録証明書の発行日からの期間を踏まえ、一定程度の相続分譲渡証書がそろった段階や、はじめから遺産分割調停を申し立てることが多いと思われます。

この遺産分割調停の中では、現在居住しているなどの事情を説明して相続分を譲渡してもらったり、遺産の取得を希望しないという遺産分割が成立するように説得したりしますが、他の相続人からは、あくまで法定相続分での遺産の取得を希望されることもあります。

この場合、多くの方は居住者がいる不動産の取得は希望せず、不動産の評価額相当額を金銭で取得することを希望すると思われるので、不動産の評価額が争点になります。不動産の取得を希望するご相談者は、他の相続人が有する不動産を取得する代わりに金銭を支払うことになる立場になりますので、できるだけ評価額が安価な方が良いということになりますが、他の相続人はできるだけ高額になることを希望するでしょう。

実務上は、双方査定を提出し、折合いが付けばその金額で合意することになります。折合いが付かない場合には、調停が不成立になり審判手続きに移行するか、裁判所が選任する不動産鑑定士による評価額を前提として調停の成立に向けて進むことになります。不動産鑑定土の評価額が出されて合意できれば調停は成立しますが、鑑定士の評価額に同意できなければ調停は終了し、やはり審判手続きに移行し、裁判官が判断します。

もし同様のケースで宅建事業者が相談を受けた場合は、

  • 登記義務化の観点では、まずは相談者に、速やかに司法書士に相談するようアドバイスする。
  • 遺産分割調停・審判になる場合では、相談者が不動産を取得し、適正な評価額となるよう調査を手伝う。

等が考えられます。

本件のポイント

  • 速やかに相続登記手続きができるようにする必要がある。
  • 不動産を単独で取得するためには、「相続分譲渡」を依頼することになるが、応じてくれないなどの場合には遺産分割調停で話合いをすることになる。
  • 遺産分割調停において不動産の評価額で折合いが付かなければ審判に移行し、不動産鑑定士による評価がなされることがある。

用語解説

●「相続登記の義務化」

相続や遺贈により不動産を取得した相続人に対して、相続登記の申請を義務付ける措置。不動産登記法の改正によって義務化された(2024年4月1日施行)。遺産分割が成立した場合にはその内容を踏まえて申請するが成立していない場合には法定相続分で申請してかまわない。

不動産用語集R.E.wordsより一部抜粋

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