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平成28年2月、原告である買主X(宅建事業者)は、被告である売主Y(個人)が相続で取得した借地権付建物(本件建物)について、建物を再建築し、転売する目的で媒介事業者の媒介により、売買契約(本契約)を締結しました。本契約には、Yは、地主Aから、借地権譲渡の事前承諾の他に、建物への抵当権等の登記、金融機関への融資承諾書面の発行の同意を得るといった特約(本件特約)が付されており、承諾を得た上で、本件建物をXに引き渡すことになっていました。
同年5月に、YはAに対し、Xとの本契約の内容を説明した上で、借地権の譲渡について承諾するよう求めたところ、Aは、借地権の譲渡は承諾したが、建物への抵当権等の登記と金融機関への融資承諾書面の発行の同意については了承しませんでした。
その後Xは、Yの融資承諾書取得等の債務不履行を理由に契約を解除し、Yに違約金の支払いを求める本件訴訟を提起しました。
裁判所は、次の通り判示し、Yに債務不履行があるとしたXの主張を棄却しました。
本判決は、借地権付建物の売買契約において、売主が地主から金融機関に対する融資承諾書面の発行の事前承諾を得ることまで法的義務とすると、契約内容等を踏まえると負担が大きすぎることから努力義務と解し、買主の解除の無効を認めたものです。
借地権付建物の売買契約における売主の義務の設定については、本判決も踏まえ、慎重な対応が求められます。
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