Nスタイルホームは創業13周年を迎えました。
コロナ禍では換気が重要と言われています。
不動産会社においても、来訪された顧客などから換気について質問を受ける機会があると思われます。ここでは換気の仕組みと新型コロナウイルスにどの程度効果があるのかを考えていきます。
飲食店をはじめとするあらゆる施設では、3密対策に加えて換気対策を十分に行っている旨を表示しています。換気をよくすれば、新型コロナウイルスによる感染は確かに減少しますが、目に見えないため空気中のウイルスがどの程度なくなったのかを確かめることはできません。住宅では1時間に2~3回窓を開けて換気をすればよいといわれていますが、エアコンの効いた部屋ではエネルギーロスが大きく悩ましいものです。住宅以外の施設では窓のない建物が多く、そのようなケースでは換気設備による換気量の規定があります。
ハウスメーカーでは、汚染物質を玄関でシャットアウトする設備を付加したりモートワークスペースを設けるなどの商品開発を行っています。
窓を開けたり、換気の十分な施設内では、換気により室内の空気はすべて新しい空気に入れ替わっていると思われがちですが、汚染された空気は薄められてはいても、すべて入れ替わっているわけではありません。たとえば水で考えてみると、浴槽の湯を抜き入れ替えれば、すべて新しい湯に置き換わりますが、湯を着色し色水にした後、排水栓を少し開きながら浴槽に同量の湯を貯めたとしても、湯の色は薄まっても透明にはなりません。浴槽の湯を限りなく透明にしようとすれば、何倍もの湯が必要になります。空気は湯のようにいったん抜くことができませんので、換気して新たな空気を同量入れたとしても、すべて新たな空気にはなりにくいのです。
建築基準法ではすべての居室には部屋の面積の20分の1以上の開口部(窓)が必要とされています(建築基準法28条2項)。居室とは人が通常いる場所で、住宅だけでなく事務所でも店舗でも同様です。居室以外ではトイレや浴室も通常換気していますが、基準法というよりも機能面で換気ができるよう窓や換気扇がついています。
また、窓に変わる開口部がとれない場合は、換気扇など機械換気設備による換気で代用できる規定になっていますが、その場合の換気量は利用人数により次の規定になっています(建築基準法施行令20条の2)。
※1人当たり占有面積は実情に応じた面積ですが、店舗・病院・学校・劇場・共同住宅等建築基準法で定められた特殊建築物では3m2以下、その他の建築物で10m2以下と定められています。
要するに1人当たり1時間に20m2の換気が必要なのです。この根拠は成人男性が静かに座っているときに発生する二酸化炭素の排出量に基づいた換気量ということです。空調・衛生工学会では室内の炭酸ガス濃度が0.1%(1000ppm)を超えないよう30m2としています。
そのため施設の換気量を求めるには1人当たりの専有面積が必要になりますが、室内用途により標準在室密度の空調・衛生工学会での基準は図表1のようになります。
室名 | 標準在宅密度(m2/人) | 必要換気量(m3/m2・h) |
---|---|---|
事務所 | 5.0 | 6.0 |
レストラン | 1.0 | 30.0 |
劇場・映画館 | 0.6 | 50.0 |
バー | 1.7 | 17.7 |
宴会場 | 0.8 | 37.5 |
美容室 | 5.0 | 6.0 |
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