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賃貸のお困りQ&A

購入した別荘に瑕疵があるとした買主の損害賠償請求について説明済・瑕疵に該当しない等として棄却された事例

ケース

買主Xは、別荘の購入を検討しており、平成26年10月、媒介事業者Y1に依頼し本件不動産を1時間程度内見し、翌月、Y1の店舗に赴き、売主Y2との本件売買契約を締結。平成27年1月、引渡しを受けました。

その後、Xは建物に複数の瑕疵が存在するが、特に①1階床下の不良について、少量の降雨でも床下浸水する構造で、建築基準法に反する状態。また、1階リビングにカビが発生し、健康被害ひいては死に至る危険もある。②2階への浸水について、雨水がバルコニー外部に排水されてない構造で、木腐れ、鉄部の錆び等の症状が生じている。そのため、Y1およびY2の告知義務違反があり、売買契約および媒介契約は無効である、などと主張。Y1およびY2に対し、売買代金相当額および慰謝料等を請求する訴訟を提起しました。

解説

裁判所は次のように判示し、Xの請求を棄却しました。

  1. ①の1階床下浸水およびカビの大量発生に関しては、Xが本件不動産を購入して平成27年3月に別荘として使用を開始し、同年7月に宿泊した際には、カビの発生は確認できなかった。その後、同年10月に訪れた際、カビが大量に発生しているのを確認したものである。
    しかし、同年3月以降降雨があったことは明白であり、同年7月にはカビが発生せず、同年10月にカビが発生したとは判断しがたく、Y2が本件不動産を引き渡す直前には、カビ等が大量に発生した様子は全くない点からも、Xの主張を認める理由がない。なお、床下の構造が建築基準に反していると主張するが、X提出の証拠によっても、規定に反していると認めるに足りない。
  2. ②についてXは、2階バルコニーにたまった雨水がバルコニー外部に排水されない構造であったため、周辺部に木部腐れが生じ、浸水したと主張するが、証拠によれば、バルコニーの床面は複数枚の床材が張られており、そこに隙間が見られ、バルコニーに降った雨水の排水先が存在していたことがうかがわれるので、Xの主張は前提を欠く。また、バルコニー周辺の木部が腐り、または塗装がはがれている状況であることを前提として本件売買契約を締結したので、瑕疵であるということはできない。
  3. その他の瑕疵についても、Xは、本件不動産を内見し、認識していたものの、これを許容して引渡しを受けたというべきであり、築年数に照らしても瑕疵と評価することはできず、本件契約締結時に説明されていたものであって、理由がないため、Y1およびY2に告知義務違反もない。
    従って、Xの請求はいずれも理由がないことから棄却する(東京地裁 令和2年1月9日判決)。

総評

不動産の取引において、売主は、情報の公平性の観点から、売主が知る買主の購入に影響する事項について告知義務があり、また、媒介事業者は、事業者としてできる限りの調査をし、その内容について説明する義務があります。

しかし、売主および媒介事業者は、建物全体の品質・性能の保証まではできず、購入する物件の情報収集は、買主にも責任があると考えられますが、告知事項や説明義務に係る教訓として注意しましょう。

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