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相談者 地元の建設会社なんですが、X建設(株)に資材置場として土地を貸しています。また、別の土地になりますが、Y自動車販売(株)に中古自動車販売展示場として貸している土地があります。今後相続対策のためマンション建設などを考えていますが、どちらの貸主も、借地を返すなら立退き料として1000万円以上を支払えといって話が進まなくて困っています。そもそも今まで安く土地を貸していたうえ、立退き料を支払わないといけないのでしょうか。
担当弁護士 立退き料の支払い義務の根拠は、借地借家法第6条に記載されています。言い換えますと、借地借家法が適用されない土地は、立退き料を支払う根拠がありません。
相談者 すると、借地借家法の適用がない土地はどういうものなんですか。
担当弁護士 それは、借地借家法第1条の条文中の「建物の所有を目的とする」に当てはまるかどうかで決まります。
相談者 これは難しくてよくわかりませんね。
「建物」とは(判例から)
土地の定着物として、永続性を有し、住居、事務所等の用途に使用され、用途に応じた屋根をふき、囲壁を有する独立性がある建築物をいいます。
要するに「雨風をしのげるか」「土地に固定されているか」
「建物の所有を目的とする賃貸借契約」とは(判例から)
建物の所有が、土地使用の主たる目的でなくてはならず、従たる目的にすぎない場合には、「建物の所有を目的とする賃貸借契約」ではありません。
具体的には、ガソリンスタンドは営業として事務所建物が必要不可欠であり、建物の所有が主たる目的と評価でき、「建物の所有を目的とする」ものといえます。
X建設(株)、Y自動車販売(株)に貸している土地は、両方とも、借地借家法が適用されないので、立退き料を支払う法的な根拠はありません。
立退き料の支払いの問題もありますが、まず契約の終了原因があるかが重要です。「期間満了」や「解約」といった契約の終了原因がなければ賃貸借契約は終了できません。契約書を見ると、X建設(株)に貸している土地は、昔の契約書にしては珍しく期間内解約条項がありますので、解約により契約を終了させることができます。また、もし、用途違反(使用用途の契約違反)や、債務不履行(賃料未払いなど)があれば強制的に解除することができる場合もあります。
相談の後、担当弁護士が代理人となり、X建設(株)、Y自動車販売(株)との交渉を進めた。
X建設(株)については、借地借家法の適用がないところを説明したところ、X建設(株)も顧問弁護士に相談したところ納得し、不動産にて近くに資材置場に適した土地を見つけたうえで、土地賃貸借契約を解除、明け渡しが完了しました。
Y自動車販売(株)との契約では途中解約条項がなかったため、1年更新の際期間満了時に更新を拒絶しました。しかし、Y自動車販売(株)とは交渉しても埒があかず、調停を申し立てました。調停の結果、早期解決のため相談者Aが移転費用として解決金50万円を支払い、明け渡しが完了しました。
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