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売主事業者が隠蔽した雨漏り履歴を媒介事業者は認識し得なかったとして、過失はないと判断された事例

【ケース】

売主事業者Y1は平成27年4月、中古分譲マンションをAから購入し、同年8月、媒介事業者Y2の媒介により、買主Xに売買代金1200万円で売却した。

AがY1に提出した物件状況等報告書には「平成27年4月頃、リビングで雨漏りがあったが修理済」と記載されていましたが、Y1はXに提出した物件状況等報告書において「雨漏りを発見していない」「漏水等の被害:無」「専有部分の修繕の履歴:無」と記載しました。

平成27年10月、リビング天井から雨漏りが発生。原因は、上階との間の共用部分にあることが判明し、その補修費用23万円余を管理組合が負担することになりましたがXはこれを拒否。Y1に対して売買契約の錯誤無効による不当利得返還請求および損害賠償を、Y2に対しても説明義務違反による損害賠償を、両者に連帯して1473万円の支払いを求める訴訟を提起しました。

【解説】

裁判所は、次のように判示し、Xの請求のうち、Y1に対する慰謝料請求を認容しました。

  1. 売買契約を締結した経緯によると、Xが従前の雨漏り発生の有無を確認し、今後も雨漏り等の発生の恐れのない物件を注意して選定したとはうかがえず、物件状況等報告書に雨漏り歴がないという記載をもって直ちにそれが売買契約の内容になるとは認められないから、錯誤無効を来す動機の錯誤があったということはできない。
  2. Xは、雨漏り歴に関して事実と異なる告知を受けているが、本件雨漏り歴の存否自体は、それが修繕済である限り、売買契約締結後の居住環境に直ちに影響を及ぼすものではなく、かつ、通常は修繕がなされているから、社会通念に照らし、マンションの売買契約を締結しようとする一般平均的な消費者が当該契約を締結するか否かについて、その判断を左右すると客観的に考えらえるほどの重要事項には該当しない。
  3. 本件は中古物件売買であり、債務の本旨は、引渡しをすべき時の現状において引渡すことにあり(民法483条)、雨漏りがあることで直ちに不完全履行に該当するものではない。
  4. 一方で、Y1の行為は雨漏り歴を知りながら故意に隠蔽したもので、非常に悪質で宅建事業者としての信頼を著しく損なう行為である。Xは、Y1の虚偽説明により、一部謝った情報を基に購入の判断を余儀なくされる不利益を被ったものであり、その精神的苦痛に対する慰謝料は40万を相当と認める。

Y2は、Y1に修繕履歴を確認して雨漏り歴がない旨の回答を得るなど、媒介事業者として一応の調査を尽くしており、雨漏り歴を認識しまたは認識し得たということはできないから、Y2に帰責事由または過失は認められない(東京地裁 令和2年2月26日判決)。

【総評】

本事案では、売買契約取消や無効の主張は棄却されましたが、売主事業者が雨漏り履歴を知りながら故意に隠蔽したことは信義誠実の原則に著しく反するとして、買主の慰謝料請求が一部認容されました。媒介業務に当たっても告知事項や説明義務に係る教訓として注意しましょう。

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