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賃貸のお困りQ&A

媒介事業者の害虫防除工事等により健康被害を受けたとする借主の損害賠償請求が棄却された事例

【ケース】

平成30年8月16日、法人である借主X(原告)は、社宅として家族を入居させるため、宅地建物取引事業者Y(被告)の媒介により、貸主との間で、契約期間を同日から2年間、賃料月額19万円とする賃貸借契約を締結。その際、XとYの間で媒介契約も締結しました。

Yは、本件賃貸借契約後、本件物件内の害虫防除工事および光触媒コーティング工事を行い、Xに引き渡しましたが、Xは、その後間もなく退去しました。

Xは、Yに対し、依頼をしていないにも関わらずYが本件工事を行い、本件建物内のVOC(揮発性有機化合物)の値が非常に高くなったことから、Xおよび入居した家族らが本件物件内で目や喉の痛みを感じ、本件物件内に居住できなかったことは不法行為に当たる。また、XはYとの媒介契約に当たり、仲介手数料の説明がなかったことは、本件契約上の債務不履行に当たる等として、敷金、礼金、転居費用等、計134万円余の損害賠償の請求をしました。

【解説】

裁判所は次の通り判示し、Xの請求を棄却しました。

  1. Xは、本件工事により本件物件内にVOCが発生し、目や喉の痛みなど人体への悪影響が生じたため、本件物件内に居住することができず、他の物件への転居を余儀なくされたと主張し、証拠として、本件物件内に設置した空気清浄機がVOCを検知したことを示す写真、急性咽頭炎の診断書を提出した。
    しかし、これらの証拠に示されたVOCの検知や身体的症状が、本件工事の際の殺虫溶剤等の使用に起因するものであることを裏付ける的確な証拠はなく、本件物件内の異常や身体的症状との間に因果関係があることを前提とする主張は、その前提を欠くものであり採用することはできない。
  2. Xは、本件工事はYがXの承諾なく行ったと主張するが、XはYからのメールにより、入居に必要となる費用として、入居計算明細書に仲介手数料および害虫防除、光触媒コーティングを作業内容とする工事費用が含まれていることを知ったものと認められる。
    また、本件物件内に入居するXの家族Aは、Xの代理として重要事項の説明書に署名・押印をする権限を付与された上で、Yからのメールと同内容の説明を受け、重要事項説明書および入居明細書の内容を確認し、その内容について特段異議を述べることなく、署名または押印したことが認められることから、その主張は採用できない。
  3. XはYから仲介手数料の説明がなかったと主張するが、AがXの代理人として重要事項説明書に署名・押印をする権限を付与された上で、Yから仲介手数料の説明を受け、重要事項説明書および入居明細計算書に署名または押印したことが認められることから、Xの主張は採用できない。

以上によれば、XのYに対する請求は、いずれも理由がないから、これを棄却する(東京地裁 令和元年11月27日判決)。

【総評】

本件のような争いにならないためには、入居者のアレルギー等の可能性がある場合を考慮し、入居前に行われる消毒等について、十分確認し理解してもらうことが重要です。

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