Nスタイルホームは創業13周年を迎えました。
Yは、東京都a区内に所有する建物の1階及び地下1階部分(本物件)を賃貸することとし、Yから賃借人探索の依頼を受け宅建事業者B社(本物件の管理も受託していた模様。代表者はYの配偶者)は、これをウェブサイト上で広告しました。
平成28年2月、この広告を見たXは、宅建事業者Aに内見の手配を依頼。A社およびB社立会いの下、Xは本物件の内見を行い、その際Xは、本物件全体を飲食店として利用予定である旨を説明しました。
その後、A社とB社の媒介により、YとXは本物件の賃貸借契約書(本契約)を締結。本契約では、①契約面積:1階40.47m2、地下1階50.46m2、②目的物の種類:店舗・地下倉庫、③使用目的:店舗・飲食店、等とされました。
その後Xは、内装設計依頼先の業者から、地階に飲食店としての使用に必要な避難経路等がないこと、地階は建築確認申請上の床面積に含まれていないこと、建物の検査済証が未取得であることを聴取したため、B社に説明を求めました。
同年4月、B社がa区役所や所轄消防署に確認したところ、地階を店舗として使用することは法定容積率を超過し、建物の使用差止めや罰金等の処分をする可能性がある旨示唆されたため、Xに地階を飲食店とするための工事の中止とこれに伴う損失補償を協議したい旨を通知。これに対しXは、A社の通じてB社に1階部分のみでは採算が取れず、実質的に営業不能なため本契約を解除するとともに、発注済内装工事費用等を請求する考えであることを連絡し、同年6月にXは、Yに対して契約解除を通知し、本物件を明渡した後、債務不履行に基づき支払済賃料・保証金、媒介報酬等の支払いを求めて本訴を提起しました。
裁判所は次の通り判示し、Xの請求をすべて認容しました。
建物の用途変更にあたっては、建築基準法や各自治体の条件等の規制を受けることがあります。買主や借主のみならず媒介事業者におかれても、対象物件を契約目的の用途で使用することに問題がないかを建築士等の専門家に確認する(もしくは確認するよう助言する)ことも含め、十分に調査を行った上で契約をすることが必要でしょう。
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