Nスタイルホームは創業13周年を迎えました。
相談者
私の自宅の裏手に、父が義理の祖父(父の妹の夫)であるAに貸していた家があります。Aは、2年前に引っ越してしまい、その後空き家になっていました。2ヶ月前にAが亡くなり、息子である従弟のBに「まだ荷物が残っているから、持っていてもらえないか」、と貸家の明け渡しの相談をしました。
そうしたところ、従弟であるBは「あの家は自分たちも育った思い出がある建物だから明け渡したくない。自分は賃借権を相談したから、明け渡してほしいのなら立退き料を支払ってくれ」と言っています。
担当弁護士 それは困った話ですね。その貸家というのはどんなお宅ですか。
相談者 これが写真です。築50年は経っています。木造平屋で、中にある荷物といっても、布団や古雑誌などガラクタがあるだけです。
担当弁護士 契約書などはあるのでしょうか。
相談者
契約書は特にありません。もしかしたらあったのかもしれませんが、家中探してみても、少なくともそれらしいものは何も見つかりません。
祖父がAに貸したのはもう50年も前の話です。祖父が、義理の弟であるAの運送業が軌道に乗るまでという約束で、自宅の裏手に建てた家を貸したのです。既に父も7年前に他界しており、それ以上詳しい話は私もわかりません。この建物は、私が相続し、現在私の単独で所有しています。
担当弁護士 親族間の貸家ですとそういうことはよくありますね。
相談者
2年前までは、建物の固定資産税はAに負担してもらっていました。
A家は何十年もタダ同然で住んでいながら、私に対し「A家の財産を独り占めした」「父が母と離婚したせいでA家は相談者に捨てられた」私のことを「恨んでいる」などと理不尽なことを言っています。祖母とAは30年前に離婚してA家を出て従弟たちはAに引き取られました。私の父は母親がいなくなった従弟たちのことをかわいそうに思って、その後も家もAに貸していたのに、こんな仕打ちをされると、恩をあだで返された気分です。
明け渡しを要求することはできるのでしょうか。もちろん立退き料などを支払うつもりはありません。もし退去に応じない場合は、ガラクタを処分してしまおうと思うのですが、どうでしょうか。
木造平屋建て(築50年)
A.使用賃借契約は終了しています。立退き料を支払う必要はありません。ただ、荷物を処分するのは危険なので、訴訟をすることも視野に明け渡し交渉をすべきと考えられます。
法的に整理するとどうなるか
相談者は担当弁護士に明け渡し交渉を依頼しました。担当弁護士はBに内容証明を送りましたが返答もなく、最終的には提訴を提起し、判決によって強制執行を行いました。Bは、判決後にこの家に入り込んで「俺が死んでもこの家は明け渡さない」などと言って居すわり始めましたが、断行明け渡し手続きによって、明け渡しが完了し、建物はすぐに取り壊されました。執行終了後、相談者からは「あの様子だと、もしきちんと法的手続きを取っていなかったらこちらが犯罪者などと言われて面倒なことになっていたかもしれなかった」との返答がありました。
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