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隣接建物に設置された防犯カメラによりプライバシー権が侵害されたとする損害賠償請求が棄却された事例

ケース

XとYの居宅は隣接、X宅の北西にY宅がありました。Xは、X宅玄関から道路に出るのにY宅南側にある道路を日常的に利用していました。

平成29年3月、YはY宅建替工事をする前にいたずらによる被害等があったとして建物の南側壁面に防犯カメラを設置しました。その後、いったんカメラを撤去しましたが、7月にXがY宅の南側にあったガレージ入口に断りなく石を積み上げる行為等があっため、Yは、12月に新たにカメラを設置しました。

防犯カメラの撮影範囲は、Y宅南側通路、通路入口のごみ集積所、通路を挟んだ隣家の軒先、Y宅西側道路および道路を挟んだ駐車場でした。このカメラは、撮影影像が常時上書きされる仕組みで、カメラはY宅南側壁面に固定されており、特定人を追跡して撮影する機能はありませんでした。

平成30年3月、XはYが日常生活の場を監視目的で撮影しているとして転居しました。Xは、カメラによりプライバシー権等が侵害されたと主張し、カメラの移設または撤去、転居費用等の損害、慰謝料を求める訴訟を提起しました。

解説

裁判所は次のように判示し、Xの請求を棄却しました。

  1. 防犯カメラで、ある者の容ぼう等を承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかは、撮影の場所、範囲、態様、目的や必要性のほか、撮影された画像の管理方法等諸般の事情を総合考慮し、被撮影者のプライバシー権をはじめとする人格的利益の侵害が社会生活上受忍限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。
     本件カメラは、Xの容ぼう等の日常的な撮影が可能であり、その設置目的は、XがY宅のガレージ入口に石を積み上げたことがきっかけとなったと推認できること、Xの転居後はカメラ撮影が行われていないことから、一般的な防犯のみならず、Xの行動を注視することも含まれていたことは否定し難い。
  2. しかしながら、本件カメラはX宅の玄関や家の内部を撮影するようには設置されていないこと、固定カメラで追跡した撮影する機能はないこと、撮影映像は上書きされて保存される仕組みであることからすれば、設置目的は、Xによる迷惑行為等を防止するためのものであり、Xの日常的な行動を監視する目的があったとまでは認めることができず、その設置には一定の必要性が認められる。
  3. そして、カメラの撮影範囲である通路は屋外であり、Xの撮影も約3カ月間であったこと等から、Xへのプライバシー権侵害があったことは否定できないものの、その程度は、カメラ設置の動機を与えたXにおいて社会通念上受忍限度を超えるものとまではいえない(東京地裁 令和2年1月27日判決)。

総評

近時、防犯カメラの設置について近隣住民等がプライバシー権に基づきカメラの撤去や損害賠償等を求める事案がみられます。過去には、集合住宅や建設現場での防犯カメラの設置が争われた事例もあり、設置の際は注意が必要です。今回の事例を県連物件の取引等において、参考としていただければと思います。

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