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施工ミスにより悪臭や補修工事を巡るストレス等による買主の健康被害に対する慰謝料請求が一部認められた事例

【ケース】

不動産会社である売主Y1は、個人の買主Xとの間で建築条件付土地売買契約後に、建築会社であるY2を建築工事の下請け建物請負契約を締結し、Xに本件土地建物を引き渡しました。

Xは本件建物に転居し、1階の居室を寝室として使用して1カ月程経過後、1階の居室、2階の浴室等で、どぶ臭い悪臭を感じました。本件建物の6カ月点検の際、XはY2に悪臭がする旨を告げましたが、Y2は臭いはしてないとして、特段の対応は行わずその後の2年点検も実施しませんでした。

その後も悪臭は続いたので、Xは本件建物1階の居室床下の状態の調査を知り合いの事業者に委託し、同者が確認したところ、下水管と接続した未使用の配水管2本が開口した状態で放置されていること(本件瑕疵)が判明し、また、その床下から悪臭が発生し、鼠が床下の柱等をかじって損傷を与え、鼠の糞が床下に散乱していることが確認されたため、Xは、Y2に同調査の結果を伝え、Y2は本件瑕疵を補修しました。

本件瑕疵によりXは約2年間にわたって悪臭に悩まされ続けたほか、健康被害を受けた旨を主張し、Y1およびY2に対し、不法行為の損害賠償請求権に基づき、慰謝料260万円、弁護士費用26万円、計286万円の損害賠償を請求する訴訟を提起しました。

【解説】

裁判所は、次の通り判示し、Xの請求を一部認容しました。

(1) 本件瑕疵が通常の建物の施工では考えられない瑕疵であること、仮に手違い等で排水管を床下に設置したとしても、開口部をふさぐキャップを取り付けるなどにより、容易に被害を防止できたことから、本件瑕疵について、Y2には建築会社としての基本的な注意義務を怠った過失がある。

(2) 本件建物の建築工事をY2に下請けさせたY1には、Y2の施工工事について、Y2の施工ミスである本件瑕疵を看過したことは、前記注意義務に違反した過失があったことが認められ、Y1およびY2は、本件瑕疵によって本件建物の居住者に損害が生じたときは、当該損害について不法行為による賠償責任を負う。

(3) Xは、本件建物に入居して約1カ月後から本件居室の悪臭に悩まされ、本件瑕疵が補修されるまで2年以上の長期間にわたっていたこと、本件瑕疵の存在が判明した当時、本件居室の床下には大量の鼠の糞が散乱しており、本件瑕疵を原因とする悪臭や補修工事を巡るY2との交渉等のストレスが原因と考えられる気管支喘息の悪化および不安神経症の健康被害がXに生じていることに照らせば、本件瑕疵により、Xは、慰謝料の支払いを要する程度の精神的苦痛を受けたものと認められ、その慰謝料は30万円が相当であり、相当因果関係の認められる弁護士費用は3万円が相当である。

【総評】

本件は、下請会社の施工ミスで悪臭や鼠侵入を生じさせたものですが、床下点検口からの確認で比較的容易に判明できたものであり、当初の買主の苦情に際し、下請会社または売主会社の初期対応が適切であれば、買主は2年以上も悪臭等に悩まされることもなく、訴訟にまで発展することのなかった事案であったと思われます。

※(一財)不動産適正取引推進機構 実際にあった判例からを参照しています。

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