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賃貸のお困りQ&A

国内に居住していない者から不動産を購入した場合の購入者の源泉徴収義務について

今回のご相談

不動産を購入ようとしているお客さまがいるのですが、その不動産の所有者は、売買交渉中の今も外国と日本行ったり来たりしています。理由を聞いたところ、過去に外国に住んでいた時期があり、継続的に行き来しているようです。

このような人から不動産を購入するにあたって注意するべき点はありますか。

回答

譲渡人が国内に住所を有さず、かつ、居所していない場合、譲受人(不動産譲渡代金の支払者)に源泉徴収義務が生じることとなります。

本件では、支払者となる買主は売主が国内に居住している者か否かを確認する必要があります。

解説

1.不動産取引における源泉徴収とは

源泉徴収とは、法律で定められた一定の支払をする者が、その支払いの時に法定の税額を差し引いて残額のみを相手方に支払い、差し引いた税額を国に納付するという仕組みです。源泉徴収制度は日本の所得税制において広範に採用されており、日本の所得税制の大きな特徴の一つとされます。

例えば、会社勤務の人であれば、国内の居住者へ給付等の支払いをする者(所得税法183条1項)である会社が源泉徴収義務を負うことが想起されるかと思います。

そして、源泉徴収制度の中には、「非居住者」と取引をし「国内源泉所得」の支払いをする者は、源泉徴収義務を負う(所得税法212条1項)という規定があります。

「非居住者」とは、居住者以外の個人(所得税法2条1項5号)をいうところ、「居住者」とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいいます(所得税法2条1項3号)。また、「国内源泉所得」とは、所得税法161条1項各号に定めがあり、そのうちの5号には、国内の不動産の譲渡による対価が定められています。

つまりは、非居住者が売主となる不動産売買の対価の支払いに際しては、支払いをする者に源泉徴収義務が発生するという規定になっているということになります。

2.住所・居所とは

居住者か非居住者かを判断するための、「住所」「居所」とは、法律や施行令にその意味が定められているわけではなく、解釈に委ねられています。

「住所」について最高裁は、「反対の解釈をすべき特段の事由がない以上、生活の本拠、すなわち、その者の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指し、一定の場所がその者の住所に当たるか否かは、客観的に生活の本拠たる実施を具備しているか否かにより決すべきである」(最高裁 平成23年2月18日判決[判例時報2111号3頁など]としています。

また、「居所」とは、生活の本拠(住所)とはいえないが、多少の期間継続して居住している場所をいいます(有斐閣法律用語辞典[第5版])。前記のとおり、居住者の判断にあたっては、「一年以上」の居所を有する者であることが求められます。

より詳細な居住者と非居住者の区分については、国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)にページが設けられています。判断に迷うようであれば、まずはこれを参照してみましょう。

3.規定の趣旨

なぜ、前記のような非居住者との不動産取引について源泉徴収制度が設けられているかについては、国内にある不動産を譲渡した非居住者等が、申告期限前に譲渡代金を国外に持ち出し、無申告のまま出国するという売り逃げ事例に対処するためのものであるとされます。

4.非居住者と気づかなくても源泉徴収義務を負う?

源泉徴収義務を見過ごしてしまった場合、所得税は源泉徴収義務を負担していた者から徴収することとされています(所得税法221条)。

徴収された者は、所得税法222条を根拠に求償請求をすることはありえますが、事実上は実効性がないことも想定され、回収リスクを負うことになってしまいます。

他方で、前記の通り、「住所」や「居所」には実質的な判断が必要です。例えば、国籍や住民票の登録が国内にあれば足りるというものではありません。

しかし、調査権限を持たない私人が実質的な判断を行うことが困難な場合にまで源泉徴収義務を課すことには疑問が呈されています。譲渡人が売り逃げを真に画策し、非居住者であることを隠し、代金を源泉徴収義務なしに受領し、これを国外に持ち出し、その後、非居住者であったことが発覚する、といった場合にも、やはり支払いをする者に源泉徴収義務を負担させるかというと酷であるという評価はあるでしょう。

このような支払者に予期せぬ不利益をもたらす可能性があるにもかかわらず、今のところ裁判例では、非居住者との不動産取引における源泉徴収義務を負担する場面を限定的に解釈することを明示的に認めたものは見当たりません。

5.最後に

本件のご相談のように、少なくとも相手方が海外に住所・居所がある可能性があると認められる事情がある場合は、入国の有無・頻度、滞在期間、海外における家族関係や資産状況等など住所・居所についての詳細を確認する必要があり、慎重に進めることが必要となるでしょう。

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