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賃貸のお困りQ&A

賃貸借契約の保証人が、保証契約を一方的意思表示で解除できるとき

【ご相談】

「市営住宅の賃借人の保証人が、市に賃借人の追出しを要請したことを『保証契約解除の黙示の意思表示』と認めた判決があったと聞きました。詳しく教えてください」

◎賃貸人は保証人の債務が不当に拡大しないようにする信義則上の義務がある

まずは提訴までの経緯を説明します。

10歳以下の子3名をもつAは、平成14年10月から生活保護を受給し、平成16年3月19日市営住宅条例により、市営住宅を賃借しました。Aの母B(59歳、有職)は同日、市と連帯保証の契約を締結。保証の期間や金額限度の定めはありません。

Aは入居間もなく賃料を遅滞し、平成17年1月で滞納は3カ月分の10万2300円です。同年4月分から賃料の代理納付(生活保護費支給部署から直接賃料を納付する手続き)が取られ、平成27年4月にAの生活保護が廃止されるまで代理納付が続きました。

条例では滞納が3カ月以上になると契約解除、明渡請求が可能となりますが、市はAと接触連絡が取れない状態なのでこの請求をしていません。一方Bは、平成26年に70歳で退職し年金生活となりました。市はその後もAと接触連絡が取れず(子らとは接触)、平成27年2月、代理納付前の滞納分を市の債権対策課に移管。市とBの間で平成27年2月12日同月から9回払いでBが支払う「債務承認及び分納誓約書」を作成し、平成28年6月11日にも再度作成。Bは平成29年3、4、6、9月の分納を履行しました。

平成22年頃から、BがAを訪れても留守または居留守で会うことができず連絡もつかない状態となり、AB間は絶縁状態になりました。Aの生活保護は平成27年4月に廃止されましたが、このことは市はBに連絡していません。Aは再び賃料滞納です。

平成28年5月31日、Bは市に電話で「Aとは平成22年から連絡が取れていない。自分も年金暮らしなので、Aを住宅から追い出す等厳しく対応して欲しい」と懇願。平成29年2、7、9月にも同旨の要請をしました。市は平成29年9月、ようやく明渡訴訟を決断し、議会の承認を経て平成30年1月23日に横浜地裁相模原支部に建物明渡等請求訴訟を提起しました。

被告Aには訴状を公示送達(注)で送達。第1回口頭弁論期日にAが答弁書を提出せず不出頭のため訴訟手続きをBと分離し、3月7日、Aに建物明渡しと延滞賃料等請求全部認容の判決が出ました。5月25日明渡し完了。被告Bは保証契約の錯誤無効と平成28年5月31日付保証契約解除を主張。

地裁は錯誤を否定し、解除については大審院昭和8年4月6日、同年14年4月12日の各判決を参照し、期間と定めのない保証は賃貸人も保証人の債務が不当に拡大しないようにする信義則上の義務がある。契約から相当期間が経過し賃借人が賃料支払を怠り将来も履行する見込みがないとき賃貸人が漫然と賃借人に使用収益をさせている場合、賃貸人に対する一方的意思表示により保証契約を解除することができる。また、被告の平成28年5月31日付懇願は契約解除の黙示の意思表示と認めるのが相当である」と判示し、同日までの滞納家賃45万8300円およびこれに対する平成28年6月1日から支払い済みまで年5分の割合による遅延損害金の限度で支払いを命じ、その余の請求を権利の濫用として棄却しました(横浜地裁相模原支部 平成31年1月30日判決 判例時報2420号)。

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