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賃貸のお困りQ&A

免責特約を無効にする売主の悪意とは?

【ご相談】

宅地を購入し、基礎工事のために地面を約1m堀ったところ、地中から多量のコンクリート塊が見つかり、除去に数百万かかります。売主に責任はありませんか?

◎悪意Aの売却方針がそのまま引き継がれたから、Yは悪意というべきである

売買の目的物が通常有すべき性状を欠いたものを「瑕疵」、通常の注意をしても発見できないものを「隠れた瑕疵」と言い、売主は担保責任を負います(民法570条)。

ただし担保責任は任意規定のため当事者の合意で免責特約を付すことは可能ですが、売主が知りながら告げなかった事実(悪意)については責任を免れないとの制限があります(民法572条)。以下で売買の悪意を認定した最近の判決を見分しましょう。

Y家は初代が享保13年にG県下で酒造業を始め、二代目がT市の本件土地で醤油製造を創業。十一代目Aが昭和24年8月に個人Yを株式会社Yに法人化し代表取締役に就任しました。昭和41年には醤油事業を統合しK市に新工場を建設。翌年、本件土地の醤油工場を解体し跡地をYのT支店、事務所、倉庫、有料駐車場として利用していました。

Aは中興の祖として経営に大きな影響力を持ち60年間代表取締役を務め、平成21年9月に代表取締役を辞任(平取で残留)、平成26年に96歳で死去しました。長男Bが平成5年11月~20年11月代表取締役(病気退任)、二男Cが平成19年10月以降の代表取締役です。

Yは平成17~19年に不動産を整理し一部を売却。平成19年には本件土地も売却を検討され、土壌汚染調査を実施。基準値を若干上回る砒素およびその化合物を検出。それでもホテル運営会社が5億円で購入を申し出たほか複数の引合いがありましたがYが同意せず不成立。平成23年ごろには酒類製造販売も不振に陥り、翌年5月頃からマンション用地を探す株式会社Xと本件土地建物の売買交渉を開始しました。

Yが利用履歴と土壌汚染の調査(含ボーリング)を実施し、同報告書は土壌汚染の可能性は低いとの判断でした。同年12月19日、YX間に代金3億⒌000万円で本件売買契約(免責特約付)が成立しました。

Xは平成25年2月末に引渡しを受け、同7月に一部を試掘後、10月に駐車場全部の舗装撤去と建物解体を開始すると、アスファルト舗装と下20~50cmにコンクリートの打設、その下1mにレンガ、瓦、炭焼却灰、木材の燃えかす、煙突の基礎等の埋設が見つかり、その埋設物撤去費用として県外搬出処分を含め合計1億416万円を要しました。

同年12月25日、Xは内容証明郵便でYに産業廃棄物埋設を通知し、瑕疵担保に基づく損害賠償として除去費用と遅延利息の支払いを請求しました。交渉はその後訴訟に移行。Yは免責特約と瑕疵通知の遅延(6ヵ月経過―商法526条2項)の抗弁。Xは売主悪意(同条3項)の再抗弁です。

東京地裁は、代表取締役C(解体時14歳、在近畿)の善意を認める一方、「Aは解体時Y社の統括者として解体材の処理方法の説明を受けていなかったと認めることは困難である」とAの悪意と認定し、「平成19年頃、A関与の下で決定された売買方針がA退任後も引き継がれ本件売買契約に至ったものであるからYは悪意であったというべきである」と判示してXの請求を認容しました(東京地裁 平成29年10月27日判決 判例時報2400号)。

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